解剖実習4日目には筋肉構造の剖出が行われます。この時点では、参加者それぞれが最も関心のある部位を集中して解剖していることが多いです。私は最初から、右の股関節(自分が痛めている部位です)と骨盤に関心がある、と宣言して、死守しようとしました。
リピーターはそれぞれに自分の関心のある部位に集中し、疲れると別の部位や、解剖が進んでいない部位に移動します。別の部位を解剖する際は、チームメイトに声をかけ、その部位を保全したい人がいないかどうか確認します。初心者は、全部見たい、と思うらしく、あちこちを少し解剖したら、わからなくなって、別の部位にうつる、というようなことをするのが常です。(目をはなしたすきに、観察のために保全していた股関節の腱を切られてました。)
興味深い発見があった場合に、チームメートや他の解剖台の実習生を呼んで説明したり、疑問があったり、剖出方法が分からない場合は、ヘドレー先生やアシスタントのグラムケ先生を呼んで、説明、またはデモンストレーションしてもらいます。

ヘドレー先生は常にどこかのチームから呼ばれ、興味深い場合はクラス全体を集めてデモを行いながら、ミニレクチャーが始まります。
この段階ではしばしばアノマリー(変則)が発見されます。慎重に解剖すれば、変則が必ず観察されます。今回は、一つのご献体で上腕二頭筋溝(bicipital groove)に2本の腱が通っているのが見つかり、そのチームが湧いていました。棘上筋の腱だったみたいです。私が解剖していた「フランク」は片側だけに小腰筋が見られました。
特定の筋肉構造に集中すると、ご献体を「Whole」(統一された存在)として見る視点が薄くなることに気づきました。多くの解剖実習では、この段階からがメインだと思います。ヘドレー先生以外の解剖ビデオを見ていると、かつては一人の人間であった亡骸を解剖させていただいている、ということが感じられないのは、特定の構造にのみスポットライトをあてているからかと思います。解剖が初めての人にとっては、その方がショックが少ないのかもしれません。
https://www.gilhedley.com/membership から無料のEasy Rider Membershipに登録すると、Gil Hedley先生の筋のレイヤーに関するレクチャーを視聴することができます。日本語字幕はついていませんので、英語のみです。
筋構造の解剖ビデオはYoutubeから日本語字幕つきで視聴できます。閲覧要注意です。
(つづく)
