松果体と下垂体を結ぶ軸:ギル・ヘドレー博士と統合解剖学を学ぶ

このビデオでは、解剖実習での脳の解剖映像を使用して、松果体と下垂体の関係を明確に示します。

Gil Hedley博士のYoutubeレクチャーシリーズ(閲覧無料)日本語字幕付

The Pineal-Pituitary Axis: Learn Integral Anatomy with Gil Hedley

Youtubeに直接アクセスし、CCから日本語字幕を選択して下さい。ご献体の解剖映像(脳)が出ます。閲覧注意。

このビデオレクチャーではコロラドのInstitute for Anatomical Researchで実施されたばかりの解剖実習ワークショップの脳の解剖映像を使って、松果体と下垂体の位置関係について説明して下さいます。

松果体は睡眠ホルモンであるメラトニンを生成する重要な組織です。第3の眼とも呼ばれます。下垂体(脳下垂体)は数々の重要なホルモンを分泌する司令塔の役割を果たしています。これらの重要な内分泌器官がご自分の頭の中のどの位置にあるかご存じでしょうか。

松果体と脳下垂体の位置関係をin-situ(原位置)で見ることにより、自分の脳の中で松果体と脳下垂体を「感じる」ことができるかもしれません。ヘドレー先生の統合解剖学は内受容感覚(interception )を養うことを重視しています。解剖で学んだことを自分の体で感じてください。

解剖実習で頭蓋を正中矢状面で切断した映像が使われています。ヘドレー先生の解剖実習ではご献体を「もの」として扱わないように、ご献体に実習生が名前をつけ、「先生」としてあつかうように指導されます。解剖実習による学びは「先生」からの「贈り物」なのです。

このご献体は「Grandma Fenn」と名付けられています。映像では、前頭洞、鼻、鼻甲介、小脳の断面(生命の樹のように美しいです)、第4脳室、水管、第3脳室、その後ろに鎮座する松果体(黄色に着色)、中脳を通ってアークを描けば、乳頭体(緑に着色)に達します。視束交差の断面(青く着色)はトルコ鞍(sella turcica)があり、その中に下垂体(赤く着色)が座っています。

視束交差をつまんで動かすと、隣の視床下部の漏斗もいっしょに動き、つながっていることがわかります。

位置的には下垂体(hypophysis)は下にあり、松果体(epiphysis)は上にあります。hypoは下、epiは上を意味します。

自分の頭で感じる場合は、松果体は頭のてっぺんから真っ直ぐ下に下ろした線上にあり、下垂体は鼻梁の奧の方にあります。つまり松果体は下垂体よりも2センチほど高い位置にあり、4センチほど後方にあるのです。

小脳はサック(嚢)のようなものの中に入っています。松果体の後ろには隙間があり、脳脊髄液が松果体の回りを流れ、室間孔を通って側脳室に流れています。画像では側脳室は透明中核と脳梁の向こう側に隠れています。

ヘドレー先生のExplorer会員専用のコースAnatomy from A to Zのコース20では、脳に特化した解剖プロセスを見ることができます。サブスクしてみませんか?

実際に解剖実習を行うことによる気づきは、座学とは比べものにならない深さがあります。ヘドレー先生のAnatomy A to Zプロジェクトの映像はすべてGilhedley.comでメンバーになることによりアクセスすることができます。日本語字幕はまだついてませんが、非常に価値のある教材となると思います。

血液の骨盤:ギル・ヘドレー博士と統合解剖学を学ぶ

このビデオではイラストとモデルを使って「血液の骨盤」のコンセプトを説明します。これにより、心臓がどのように骨盤深部に係わっているかより深く理解することができます。

Gil Hedley博士のYoutubeレクチャーシリーズ(閲覧無料)日本語字幕付

Blood Pelvis: Learn Integral Anatomy with Gil Hedley

Youtubeに直接アクセスし、CCから日本語字幕を選択して下さ

このビデオレクチャーでヘドレー先生はイラストと模型を使って「血液の骨盤」のコンセプトを説明します。

ヘドレー先生は解剖学を始める前はロルファーとして手技療法を行われていました。手技施術者(マニュアルセラピスト)は常に人の体に触れていながら、医師ではないので、通常は解剖実習を行うことはありません。体に触れることにより治療を行うセラピストが、人体の内部に実際に触れる機会がないことに疑問を抱いた先生が、医師以外のマニュアルセラピストのために始められたのがIntegral Anatomy Workshopです。先生はロルファーとして早くから医大の解剖では無視されていたファシア(筋膜)に焦点を当てた解剖を行っていましたが、今ではファシア学会も設立され、メインストリームとなっています。

ブラッド・ペルビス(血液の骨盤)のコンセプトから、解剖学の本を使った座学と、自らの手で触れ、自らの体の中に感じることを重視するインテグラル・アナトミー(統合解剖学)の違いがわかると思います。

先生は、人体の構造に独特の名前を付けられますので、「Blood Pelvis」(血液の骨盤)というのは、ヘドレー先生のコンセプトによる用語ということになります。

ヘドレー先生は、心臓を血管系をすべて含めた「心臓の樹」ととらえ、臓器としての心臓は「Heart Center」(心臓の樹の中心)と考えられています。Heart Centerから枝分かれした動脈が末梢までめぐり、静脈を通してHeart Centerに戻ってくる一つの連続した臓器ととらえていることを念頭に置いて下さい。

心臓の樹の大な枝である腹部大動脈、下大静脈、そこからさらに分岐する総腸骨動脈、静脈、外腸骨動・静脈、内腸骨動・静脈は骨盤の深部に沿って通っており、これらをそのまま取り出すと、骨盤深部の形になっています。つまり、心臓の樹にも「骨盤」が存在するのです。

血管というと、それほど大きなものではないように思う方もいるかもしれませんが、Blood Pelvisを形成する血管はずっしりと存在感のあるものです。大腰筋の施術をすれば、Blood Pelvisすなわち心臓の樹にも影響を与えているかもしれません。

骨盤施術の際に、「血液の骨盤」を念頭に置くと違ったアプローチがあるかもしれません。

静かに仰向けに横たわり、臍のすぐ左、大腰筋のすぐ内側に手を差し込むと、腹部大動脈の拍動を感じることができます。そこから、Blood Pelvisを頭に描いて見て下さい。

実際に解剖実習を行うことによる気づきは、座学とは比べものにならない深さがあります。ヘドレー先生のAnatomy A to Zプロジェクトの映像はすべてGilhedley.comでメンバーになることによりアクセスすることができます。日本語字幕はまだついてませんが、非常に価値のある教材となると思います。

外反母趾:ギル・ヘドレー博士と統合解剖学を学ぶ

このビデオレクチャーでヘドレー先生はAnatomy A to Zプロジェクトの解剖過程で剖出したご献体2体の両足の骨を並べて、外反母趾について説明してくださいます。中足骨から趾節骨までを、靱帯を残した時点でまずお見せし、次に靱帯を除去したものをお見せします。

Gil Hedley博士のYoutubeレクチャーシリーズ(閲覧無料)日本語字幕付

Bunions: Learn Integral Anatomy with Gil Hedley

Youtubeに直接アクセスし、CCから日本語字幕を選択して下さい。(閲覧注意)

このビデオレクチャーでは実際のご献体の骨の映像が使われていますので、苦手な方は避けて下さい。

このビデオレクチャーでヘドレー先生はAnatomy A to Zプロジェクトの解剖過程で剖出したご献体2体の両足の骨を並べて、外反母趾について説明してくださいます。

中足骨から趾節骨までを、靱帯を残した時点でまずお見せし、次に靱帯を除去したものをお見せします。

私は解剖実習の際に、足根骨をばらばらにしてしまい、二度ともとにもどせなかったことがあります。解剖の際はまず、靱帯を残したまま、どのようにつながっているかを観察してください。最初の映像では中足骨をばらばらにしないように足根骨の楔状骨は残されています。

ご献体「アンナ」とご献体「Z」の骨を隣り合わせに並べると、人間の骨には大きなバリエーションがあることがわかります。プラスチックの人体骨格モデルでは知り得ないバリエーションです。

外反母趾(英語では親指の付け根が飛び出している部分をBunionと呼ぶようです)については皆さんよくご存じで、外反母趾のある足のX線写真もよく見られると思います。実際に骨はどうなっているのでしょうか。

「アンナ」の両方の母趾には外反母趾が見られ、母趾の中足骨と第1基節骨(親指)の角度がくの字状になっていますね。第1中足趾節関節の靱帯が内側では長く、外側では短くなっていることに注目して下さい。「アンナ」の経験に適応して靱帯の長さが変化したのです。関節の軟骨も変形しています。

わたしは、プロジェクトの解剖の最初の3ヶ月助手をしていましたが、ご献体「アンナ」に会って、その日に皆が気づいたのは、第2趾が欠損していることでした。肉眼解剖学の解剖は、病理をうんぬんするものではありませんので、多分…だろう、としか言えませんが、何体も解剖しているといろいろなケースに遭遇します。

おそらく先の細いハイヒールを履いていたために第2趾の下に母趾がもぐる等で痛みが生じたために切除したのでしょう。

靱帯を取り除いた後の映像では、「アンナ」の第1基節骨が外反母趾に適応して変形しており、中足骨と基節骨をまっすぐにならべても、かみあわなくなっていることがわかります。まがったものを伸ばせばいい、という問題ではないのがよくわかります。

靱帯を除去した「アンナ」の骨を並べてみると、先細のハイヒールの形になっているのがよくわかります。私は個人的に先細ハイヒールは現代版纏足だと思っています。足の指の動きが制約されると、全身に影響が及びます。

実際に解剖実習を行うことによる気づきは、座学とは比べものにならない深さがあります。ヘドレー先生のAnatomy A to Zプロジェクトの映像はすべてGilhedley.comでメンバーになることによりアクセスすることができます。日本語字幕はまだついてませんが、非常に価値のある教材となると思います。

静脈と動脈:ギル・ヘドレー博士と統合解剖学を学ぶ

このビデオレクチャーでヘドレー先生は解剖プロジェクトのビデオ映像をシェアし、動脈と静脈の違いについてお話しして下さいます。テクスチャーの違いに注目して下さい。

Gil Hedley博士のYoutubeレクチャーシリーズ(閲覧無料)日本語字幕付き

Vein and Artery: Learn Integral Anatomy with Gil Hedley

Youtubeに直接アクセスし、CCから日本語字幕を選択して下さい。(閲覧注意)

このビデオレクチャーでは実際のご献体の解剖映像が使われていますので、苦手な方は避けて下さい。

このビデオレクチャーでヘドレー先生は解剖プロジェクトのビデオ映像をシェアし、動脈と静脈の違いについてお話しして下さいます。テクスチャーの違いに注目して下さい。

動脈と静脈の違いは皆さんご存じだと思います。人体解剖図では通常動脈は赤、静脈は青で描かれています。

実際のご献体の解剖では、このように色分けされているわけではありません。 まず、神経血管束(neurvascular bundle)という概念を念頭に置く必要があります。神経・動脈・静脈はしばしば束になっており、その周囲を脂肪がクッションのように包んでいます。皮下脂肪層以外に体内に脂肪を見つけたときには、保護する必要のある大事な組織がその中にある可能性を考慮する必要があります。

最初に解剖実習に参加した時には、神経、動脈、静脈、(そして裂けたファシアが索状になったもの)の区別が付きませんでした。座学でそれぞれの役割は知っていても、現物を目の前にすると知識と現実が一致しなかったのです。

何度か解剖を繰り返すうちに、テクスチャーの違いが分かるようになりました。手で触れた時の触感や、引っ張ったときの張力の感じ、厚み等です。これは、バーチャル解剖では決して会得できない感覚でした。テクスチャーによる違いが分かれば、その違いはどのような役割の違いを反映したものかが理解できるようになります。

オノマトペで表現すると「動脈はボインボイン、静脈はフニャフニャでペランペラン、神経はピンピン筋っぽい」という感じでしょうか。

このビデオではご献体「キャプテン」の鼠径靱帯、縫工筋、長内転筋に囲まれた大腿三角が美しく剖出されています。神経血管系を取り巻く脂肪組織はすでに取り除かれているので、大腿神経、大腿動脈、大腿静脈をはっきりと見ることができます。

ついでですが、普段の解剖では「無視」される大腿を走る皮神経(cutaneous nerve)ですが、「キャプテン」の解剖プロジェクトは神経系の剖出を目的としていることから、きれいに残されているのを見て下さい。レアものの映像です。

クローズアップでは大腿動脈に血液を循環させる小さな動脈と静脈が見えます。動脈は筋線維でできており、それ自体に血液を供給する血管系が必要なのです。静脈にもありますが、小さすぎて肉眼解剖学では見ることはできません。

血管系や心臓中心のより詳細な映像は「解剖学AからZへ」コースの#16や、マーガレット解剖シリーズのコースの5日目などで詳しく学ぶことができます。これらはGilhedley.comサイトのエクスプローラーメンバーシップに含まれていますので、ぜひご覧ください。

腸脛靱帯とフォームローリング:ギル・ヘドレーと統合解剖学を学ぶ

このビデオレクチャーでヘドレー先生はAnatomy A to Z(2o20-2021)の解剖プロジェクトのビデオ映像をシェアし、腸脛靱帯(ITB)が人体の構造上果たす役割についてお話しして下さいます。

大腿筋膜(深筋膜)、腸脛靱帯、ペリファシア、大腿の筋の関係をご献体で説明した後、腸脛靱帯が持つ感知器官としての役割と、「筋膜リリース」の一種とされているフォームローリングが及ぼす影響に焦点を当てたレクチャーとなっています。

Gil Hedley博士のYoutubeレクチャーシリーズ(閲覧無料)日本語字幕付き

Foam Rolling: The IT Band Speech: Learn Integral Anatomy with Gil Hedley

Youtubeに直接アクセスし、CCから日本語字幕を選択して下さい。(閲覧注意)

このビデオレクチャーでは実際のご献体の解剖映像が使われていますので、苦手な方は避けて下さい。

このビデオレクチャーでヘドレー先生はAnatomy A to Z(2o20-2021)の解剖プロジェクトのビデオ映像をシェアし、腸脛靱帯(ITB)が人体の構造上果たす役割についてお話しして下さいます。

大腿筋膜(深筋膜)、腸脛靱帯、ペリファシア、大腿の筋の関係をご献体で説明した後、腸脛靱帯が持つ感知器官としての役割と、「筋膜リリース」の一種とされているフォームローリングが及ぼす影響に焦点を当てたレクチャーとなっています。

ボディワークの世界では、常に特定の筋や構造が「諸悪の根源」として注目を浴びます。大腰筋、腰方形筋、梨状筋が取り上げられてきました。一時期、誰もが大腰筋について語っていたことがありますね。腸脛靱帯もそのひとつです。

スポーツジムに行くと、必ずと言っていいほどフォームローラーを使って腸脛靱帯(ITB)をコロコロとローリングしている人が見られます。腸脛靱帯が硬いから、ほぐしているらしいのですが、実際に体の中で何が起こっているのでしょう?ローリングには腸脛靱帯を「リリース」する効果があるのでしょうか。

そもそも、腸脛靱帯(Iliotibial Band/Iliotibial Tract)とはどのような組織なのでしょうか?皆さんがお馴染みの人体解剖図では、大腿の外側を上下に走る白いストラップのような組織として描かれていますね。ズボンのサイドラインストライプのような組織です。

大腿は大腿筋膜(fascia lata)と呼ばれる深筋膜でラッピングされています。大腿筋膜は腸骨稜まで続いており、中臀筋や大腿筋膜張筋(TFL:Tensor Fascia Lata)も被っています。この連続した大腿筋膜の一部が肥厚化した部分が腸脛靱帯と呼ばれていますが、独立した構造ではありません。

同時に、腸脛靱帯は構造上独特の特性を持っています。ビデオでは緻密(dense)で規則正しく(regular)線維性(fibrous)の組織であり、複数の方向に90度の角度で格子状の線維が走り、これが複数の層となっていることがわかります(詳細はDoes Fascia Stretch?のビデオを参照下さい)。それぞれの層はお互いに付着しています。

腸脛靱帯は非常に強靱な組織であり、人体の構造上の重要な要素です。ヘドレー先生はこれをエクソスケルトン(外骨格)と呼んでおり、もしこれが緩まってしまうと、立っていられなくなると指摘しています。腸脛靱帯は構造上ぴんと張っていなければ成らないのです。

腸脛靱帯のもうひとつの特性は、感覚器官としての役割です。無数の感覚自由神経終末(sensory free nerve endings)が腸脛靱帯に存在することにお気づきでしょうか。ファシアに自由神経終末があることにより固有受容感覚(proprioception)が働いています。私たちはファシアに痛みを感じるのです。

ファシアにかかる張力のバランスがずれていることを脳が痛みとして認知するのかもしれません。

さて、フォームローリングですが、私の友人は「腸脛靱帯がタイトだ」と言って、青あざができるまでローリングしていましたが、何の効果もなく、常に膝の痛みを訴えていました。何が起こっているのでしょう。

筋肉を大きくするためのボディービルディングのトレーニングでは筋肉を微細に傷つけることにより、修復される際にさらに大きくなることを目的としているため、「痛み無くして得るものなし」というメンタリティが通用するかもしれませんが、筋膜をリリースしようとして痛みが出るのは本末転倒ではないでしょうか。

ヘドレー先生は、痛みが出るまでローリングすることにより炎症が生じ、組織が癒着してさらにタイトになり、痛みが生じ、それをほぐそうとしてさらにローリングすることにより、炎症が起こり…という負の連鎖に入る危険性を指摘されています。

それでは、フォームローリングは何の効果もないのでしょうか?

もう一度、ご献体を見てみましょう。深筋膜(ディープファシア)/腸脛靱帯の下側には水分を含んだ薄膜組織(ペリファシア)があり、これが筋肉と深筋膜の間の差異運動(differential movement)を円滑化しています。解剖画像では腸脛靱帯はペリファシアから剥離されていますが、生きている人体では、腸脛靱帯とペリファシアの間に空間はありません。

差異運動はシアリング(Shearing)ムーブメントと表現されることもあります。力まかせのローリングではなく優しくシアリングすることにより、動きが鈍くなっているペリファシア層に水分が補給され、痛みが軽減し、動きが円滑化すると考えられます。

このコンセプトに基づいたフォームローラーによる筋膜リリースのメソッドのひとつとして、スー・ヒッツマン氏のメルト・メソッドがあります。(私もこのローラーを使ってます。)

また、片側の筋が硬いのは、反対側の筋が弱いからかもしれません。つまり、タイトな側を緩めるのではなく、弱い側を強化する必要があるのかもしれません。

複雑な構造を理解したうえで、どの層、どの構造に働きかけているのかを意識することが大事なのではないでしょうか。

この解剖ビデオの撮影時に、私は解剖助手として立ち合っていました。実際に解剖実習を行うことによる気づきは、座学とは比べものにならない深さがあります。ヘドレー先生のAnatomy A to Zプロジェクトの映像はすべてGilhedley.comでメンバーになることによりアクセスすることができます。日本語字幕はまだついてませんが、非常に価値のある教材となると思います。

筋組織を縫い合わせる神経:ギル・ヘドレーと統合解剖学を学ぶ

「Nerve Project」から最初の共有ビデオでは、ご献体「キャプテン」の画像を解剖室から共有し、神経が体内で通信経路だけでなく構造的な要素としても機能する様子を示しています。特に、皮神経が、広背筋と前鋸筋、外腹斜筋の接合部で「縫い合わせる」ように働く様子に焦点を当てています。

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Nerve Stiches: Learn Integral Anatomy with Gil Hedley

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このビデオレクチャーでは実際のご献体の解剖映像が使われていますので、苦手な方は避けて下さい。

ギル・ヘドレー先生は約6ヶ月にわたって神経系に焦点を当て、ご献体「キャプテン」の解剖プロジェクトを行っていました。私も1週間解剖助手として立ち会いましたが、筋肉骨格系/筋膜に焦点を当てたいつもの解剖とは全く異なる視点からの新しい経験でした。

このビデオレクチャーでヘドレー先生は神経解剖プロジェクトのビデオ映像をシェア、神経の構造上の機能についてお話しして下さいます。

通常の解剖では、坐骨神経や腕神経叢のような有名で大きな神経以外に注意を払う機会はあまりありません。筋を剖出しようとすると、筋を通っている神経は切断せざるを得ないからです。

このビデオで先生は、広背筋、前鋸筋、外腹斜筋が脇腹で集合する場所があることを指摘されます。美しい羽根のような前鋸筋と外腹斜筋が見事に剖出されているのをご覧下さい。3つの筋が集合しているスポットに施術する可能性を考えて見て下さい。

この解剖では、通常は皮膚や浅層筋膜(superficial fascia)と一緒に取り除かれてしまう皮神経の一部が丁寧に剖出されています。私は助手として縫工筋の内部を通る神経を肉眼で見える限り剖出することに取り組みましたが、神経の剖出は気の遠くなるような細かい作業です。

ヘドレー先生は皮神経が広背筋を前鋸筋と外腹斜筋につなぎ止めるように通っているのを、神経の糸が筋を「縫い合わせる」と表現しています。

神経はデリケートであると同時に強靱でもあります。神経をつまみあげることにより、それが通っている筋を持ち上げることさえ可能です。ファシアを取り除いた筋肉そのものは非常に脆い組織です。これを神経が糸のように「縫い合わせ」て、私たちの体の形を支えているのです。

このレクチャーで、ヘドレー先生は神経が単なる情報伝達網ではなく、体を形づくる構造上の機能も果たしているという点を説明して下さいます。

二頭筋の再マッピング:ギル・ヘドレーと統合解剖学を学ぶ

このビデオレクチャーでは、ギル・ヘドレー先生が大腿二頭筋と上腕二頭筋について説明しています。

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Re-Mapping Biceps: Learn Integral Anatomy with Gil Hedley

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このビデオレクチャーでは実際のご献体の解剖映像が使われていますので、苦手な方は避けて下さい。

数多くの解剖実習の現場に立ち合いましたが、ギル・ヘドレー先生のワークショップではしばしばパラダイムシフトが起こります。実習生の大部分は座学で教科書の人体解剖図から得た知識を目の前にあるご献体に適用しようとしますが、先生は、「どちらが先にあったのか」と問いかけ、「最高のテキストブックは今目の前にあるご献体です」と固定観念を一旦捨てるように勧めます。

多くのご献体を解剖していると、アノマリー(変則)のないものはない、ということを学びます。人体解剖図は学びやすくするために「平均的」な組織構造を示したものであり、人体解剖図通りの個体は存在しないのです。

筋肉組織の名称も、過去に誰かが名付けたものに過ぎず、実際の人体における現実と矛盾する場合があります。テキストブックで学ぶ組織の名称は、山歩きをする際に道に迷わないようにするための便利な地図に過ぎないのです。必要ですが、それは今、目の前にある現実の山とは別物なのです。

このビデオレクチャーでヘドレー先生は「二頭筋」という名称と現実の組織の構造の乖離を指摘することにより、パラダイムシフトを促しています。これは実際に解剖を行ってこそ理解できる視点だと思います。

上腕二頭筋と大腿二頭筋は誰でも知っている有名な筋肉でしょう。二頭筋は2つの筋組織をペアにしています。二頭筋という言葉から起始-停止(Gil Hedley先生もJoe Muscolino先生も起始-停止という言葉を避けられますが、ここではわかりやすくするためにこの言葉を使わせていただきます)がV字状になっている筋という印象を受けると思います。

しかし、実際に解剖してみると上腕でも大腿でも二頭筋を含む3つの筋組織がN字状になっていることがわかります。そこでヘドレー先生は3つの筋組織をあわせて「N字状筋」と呼んでいます。

大腿では大腿二頭筋の長頭と短頭に半腱様筋が加わります。長頭と半腱様筋の近位の腱は、長頭と短頭の遠位の腱と同じくらい密接に融合しています。長頭と短頭は大腿二頭筋としてペアリングされるのに、同じように融合している半腱様筋はなぜ参加できないのか?実際の人体では「二頭」ではなく「三つ子」の筋ではないでしょうか。

上腕では上腕二頭筋の長頭と短頭に烏口腕筋が加わります。短頭と烏口腕筋の近位の腱は、短頭と長頭の遠位の腱と同じくらい密接に融合しているのにもかかわらず、ペアリングされていません。

ヘドレー先生がもうひとつ指摘する点は、大腿と上腕で、同じN字状の筋組織パターンが見られるのに、二頭筋としてペアリングされている筋組織が異なる点です。名称の付け方は恣意的である、ということです。

この点については、ヘドレー先生がホワイトボードで色分けして図解されています。

ビデオではご献体から剖出した「N字状筋」を並べて表示しています。この点を詳しくごらんに成りたい方はGilhedley.comの会員になることにより、実際に解剖されている場面を見ることができます。

驚くべき肋間筋

このビデオレクチャーでは、ギル・ヘドレー先生が実際のご献体で剖出された外肋間筋と、内肋間筋を説明して下さいます。

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Your Amazing Intercostal Muscles – Anatomy with Gil Hedley

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このビデオレクチャーでは実際のご献体の解剖映像が使われていますので、苦手な方は避けて下さい。

施術時に肋間筋を意識したことがあるでしょうか。筋肉、腱、筋膜等の軟組織に焦点を当てたセラピストは肋間筋を意識することはあまりないと思います。

肋間筋を見たことがあるでしょうか?人体解剖ビデオを見ても専門医でない限り、肋間筋に注意を払う方は少ないのではないでしょうか。

このビデオレクチャーでは、ギル・ヘドレー先生が実際のご献体で剖出された外肋間筋と、内肋間筋を説明して下さいます。先生は外肋間筋と内肋間筋の間にペリファシア(間質筋膜?)が存在し、差動(differential movement)を許していることを指摘されています。

インテグラル・アナトミーの1週間または10日の解剖実習コースでは、鎖骨を外した後、肋骨を両脇で切断し、胸郭の前面をはずして、胸腔内を観察するというプロセスを取ることが多く、外肋間筋だけを剖出し、内肋間筋との線維方向の違いを詳細に見るということはあまりありません。

(話しは逸れますが、胸郭の前面を内側から見たことがあるでしょうか。何度見ても美しいものです。)

ギル・ヘドレー先生は完全な胸郭を手で押すことにより、呼気の胸郭の動きを再現し、手を離すと自然なリバウンドにより、胸郭が膨らみ、空気が肺に入る(吸気)様子をデモンストレーションしてくださいます。これが、モデル(二次元でも三次元でも)を使った学びと実際のご献体を使った解剖実習の学びの違いと言えるのではないでしょうか。

肺自体の動きは、Exquisite Lungs Breathing: Learn Integral Anatomy with Gil Hedley でごらん下さい。(字幕は付いておりませんがビジュアルのみで十分かと思います。)

ヘドレー先生は解剖のプロセスを詳細に記録したビデオをアーカイブ化しています。www.gilhedley.comで会員登録(有料:月額15ドル)してください。

腕神経叢—首を大事に:ギル・ヘドレーと学ぶ統合解剖学

このビデオでは、ギル・ヘドレー先生が首の神経・血管と周囲の筋肉の複雑な関係を紹介しています。マニュアルセラピストやボディワーカー(または首に興味のある人)には必見の内容であり、この短いレッスンを通じて腕神経叢の驚くべき構造と周囲の関係を理解することができます。

Gil Hedley博士のYoutubeレクチャーシリーズ(閲覧無料)日本語字幕付き

Brachial Plexus – Respect Your Neck: Learn Integral Anatomy with Gil Hedley

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このビデオレクチャーでは実際のご献体の解剖映像が使われていますので、苦手な方は避けて下さい。

ギル・ヘドレー先生は人体に関心を持ち、ロルファーの資格を取得されていますので、しばしばマニュアルセラピストの視点から解剖学を説明して下さいます。

このビデオレクチャーをごらんになる前に、ヘドレー先生独特の言葉の使い方を少し説明したいと思います。先生は解剖学者であると同時に、詩人、哲学者でもありますので、詩的な用語を使って解剖学をわかりやすく説明して下さることがしばしばあります。

タマネギ+樹モデル

先生は人体を説明する時に、Onion-Tree Modelというコンセプトを使われます。これは人体がタマネギのように層になっており、先生の解剖実習では、この層(レイヤー)をひとつの全体的構造として一枚一枚剖出していくという過程が行われます。

しかし、タマネギの層には中心から樹木のように神経、血管、リンパ管等が表面まで伸びています。先生はタマネギの層と枝を伸ばす樹木の両方のイメージを組み合わせたコンセプトで人体を説明しています。

このビデオレクチャーでは先生は「心臓の樹」(Heart Tree)、「神経の樹」(Nerve Tree)という言葉を使用して、神経血管系の道筋を説明しています。

頸部の施術をするときに

頸部の話しをするときに、ヘドレー先生はまず腕に注意を向けるように促されます。神経という「樹」の枝、血管という心臓の「樹」の枝は指先まで伸びています。腕には正中神経、尺骨神経、橈骨動脈と尺骨動脈が通っていますね。ビデオではこれらの神経血管がきれいに剖出されており、これを上(近位)にたどっていくことで、神経血管系がずっとつながっていることを肌で理解してもらえるようにしています。神経をさらにさかのぼって行くと、有名な腕神経叢に達します。

複雑な腕神経叢の名前を覚える必要は今はありません。心臓の「樹」と神経の「樹」が枝分かれする様子に気づき、どのような道筋をたどっているかを観察してください。

小胸筋の下、大胸筋の下、鎖骨の下を通っていますね。これらの神経血管の枝は頸部から枝分かれしています。つまり、あなた腕は首から始まっているのです。

神経の樹の大きな枝が頸椎からでています。その側には太い動脈と動脈が通っています。腕神経叢の束は前斜角筋と中斜角筋の間から出てきます。

前斜角筋の近くには頸静脈、迷走神経、頸動脈が通っています。すべて首の外側を通っていて、指先を当てれば簡単に感じることができます。

ボディワーカーの方はクライアントが「首が凝っている」と訴えると、「じゃあ首をほぐしましょう」と力を入れることはありませんか。その前に、これらの重要な神経や血管がそこを通っていることを意識し、配慮することが必要です。

筋膜は伸びるのでしょうか?

Gil Hedley博士のYoutubeレクチャーシリーズ(閲覧無料)日本語字幕付き

Does Fascia Stretch?: Learn Integral Anatomy with Gil Hedley

Youtubeに直接アクセスし、CCから日本語字幕を選択して下さい。

筋膜(ファシア)は伸びるかどうか。つまり筋膜をストレッチすることができるかどうかという議論があります。このレクチャーでは30年近く筋膜に重点を置いた解剖を行ってきたギル・ヘドレー先生が腸脛靱帯(ITバンド)の実際の映像を使って説明して下さいます。

Fasciaは日本語で筋膜と訳されているために、筋を取り巻く膜であるとの誤解がありますが、浅在筋膜(superficial fascia)は真皮の下側にある脂肪組織を含む疎性の結合組織を指します。ヘドレー先生の解剖ビデオ(無料:日本語字幕付き)を参照して下さい。誤解を避けるために「ファシア」という英語標記を主として使用します。

ファシアをストレッチすることができるという説も、ファシアをストレッチすることはできないという説もあり、どちらも自説を譲りません。

ファシアがストレッチするかどうかについて論ずる前に、ファシア(筋膜)とは何を指しているのか、ストレッチ(伸びる)とはどういう状態をさしているのかを考えてみましょう。

たとえば、コットン(綿)はストレッチするでしょうか。コットンの線維を1本手に取って引っ張ってもさほど伸びませんが、綿のTシャツは1本の繊維だけでできていいるわけではありません。

コラーゲン線維1本はファシアでしょうか。違いますね。ファシアは複数のコラーゲン線維と基質と細胞が組み合わさってできています。

私のシャツが綿の線維1本でできているのではなく、複数の綿の線維で織られてできているのと同じです。

綿の線維1本を引っ張ってもたいして伸びないかもしれませんが、綿のTシャツは引っ張るとかなり伸びますね。

それではファシア(筋膜)は伸びるのでしょうか?

ファシアがどのように伸びるかは、コラーゲン線維の「織り目」(weave)によります。また、引っ張る方向にも左右されます。

ギル・ヘドレー先生が「ペリファシア」(perifascia)と呼んでいる種類のファシアの線維はフエルト状の「織り目」で構成されおり、特定の方向に走っているのではないので、様々な方向に動くことができます。

ペリファシアとは周辺にあるファシアという意味で、体内で差動(隣合う構造がスライドするように動くこと)を可能にする接触面を構成する膜質のファシアです。ペリファシアについての詳細は別のレクチャーをごらん下さい。

日本語では筋周膜と呼ばれるものに当たると思います。隣接筋との間にある薄いフィルム状の層で、伸縮性があるため、筋は隣接する筋肉から独立して収縮することができます(differential movement)。滑性であるため、筋肉はスライドするように動きます。

ファシアの種類によってはよく伸びるものもあります。浅存筋膜(Superficial Fascia)/皮下筋膜はとてもよく伸びます。たとえば腕の皮下筋膜と真皮はつまみ上げることができますね。

深在筋膜(Deep Fascia)はどうでしょう。ディープファシアは密性結合組織の膜で、コラーゲン線維の密度が高く、規則正しく並んでいます。

最もよく知られているのが腸脛靱帯(ITバンド)ですね。これは太ももの外側にある分厚い筋膜で、長いコラーゲン線維が上下に走っています。横の方向にも線維は走っていますが、縦方向ほど密ではありません。このITバンドの「織り目」の上(浅)側と下(深)側には複数の線維束がさまさまな方向に走っています。

ITバンドは縦の方向に引っ張っても伸びません。筋肉を縦の方向に安定させているので、伸びたら大変なことになります。しかし、太ももの円周方向には伸びます。だから、大腿四頭筋が収縮して、盛り上がることができるのです。

縦の線維と線維の間の距離が広がることによって、横方向に伸びるのです。顕微鏡で拡大してもると、横のコラーゲン線維は直線ではなくアコーディオン状になっていることから、横方向に「伸びる」ことができるのです。

ギル・ヘドレー先生のビデオレクチャーの末尾には、実際のITバンドに負荷をかけて、線維の間隔が変わる様子を顕微鏡で撮影した画像が掲載されています。