筋組織を縫い合わせる神経:ギル・ヘドレーと統合解剖学を学ぶ

「Nerve Project」から最初の共有ビデオでは、ご献体「キャプテン」の画像を解剖室から共有し、神経が体内で通信経路だけでなく構造的な要素としても機能する様子を示しています。特に、皮神経が、広背筋と前鋸筋、外腹斜筋の接合部で「縫い合わせる」ように働く様子に焦点を当てています。

Gil Hedley博士のYoutubeレクチャーシリーズ(閲覧無料)日本語字幕付き

Nerve Stiches: Learn Integral Anatomy with Gil Hedley

Youtubeに直接アクセスし、CCから日本語字幕を選択して下さい。(閲覧注意)

このビデオレクチャーでは実際のご献体の解剖映像が使われていますので、苦手な方は避けて下さい。

ギル・ヘドレー先生は約6ヶ月にわたって神経系に焦点を当て、ご献体「キャプテン」の解剖プロジェクトを行っていました。私も1週間解剖助手として立ち会いましたが、筋肉骨格系/筋膜に焦点を当てたいつもの解剖とは全く異なる視点からの新しい経験でした。

このビデオレクチャーでヘドレー先生は神経解剖プロジェクトのビデオ映像をシェア、神経の構造上の機能についてお話しして下さいます。

通常の解剖では、坐骨神経や腕神経叢のような有名で大きな神経以外に注意を払う機会はあまりありません。筋を剖出しようとすると、筋を通っている神経は切断せざるを得ないからです。

このビデオで先生は、広背筋、前鋸筋、外腹斜筋が脇腹で集合する場所があることを指摘されます。美しい羽根のような前鋸筋と外腹斜筋が見事に剖出されているのをご覧下さい。3つの筋が集合しているスポットに施術する可能性を考えて見て下さい。

この解剖では、通常は皮膚や浅層筋膜(superficial fascia)と一緒に取り除かれてしまう皮神経の一部が丁寧に剖出されています。私は助手として縫工筋の内部を通る神経を肉眼で見える限り剖出することに取り組みましたが、神経の剖出は気の遠くなるような細かい作業です。

ヘドレー先生は皮神経が広背筋を前鋸筋と外腹斜筋につなぎ止めるように通っているのを、神経の糸が筋を「縫い合わせる」と表現しています。

神経はデリケートであると同時に強靱でもあります。神経をつまみあげることにより、それが通っている筋を持ち上げることさえ可能です。ファシアを取り除いた筋肉そのものは非常に脆い組織です。これを神経が糸のように「縫い合わせ」て、私たちの体の形を支えているのです。

このレクチャーで、ヘドレー先生は神経が単なる情報伝達網ではなく、体を形づくる構造上の機能も果たしているという点を説明して下さいます。