呼吸と肺の精緻な動き:ギル・ヘドレー博士と統合解剖学を学ぶ

統合解剖学の解剖実習の際に、しばしばご献体の肺が呼吸している状態でどのように動くかのデモンストレーションが行われます。肋骨前面を取り除いた状態で行うこともあれば、肋骨はそのままで、肋骨間の筋を除去し、「窓」を開けた状態で行うこともあります。

原理的には器官に管を通して、肺に空気を送ります。初めてこれを実際に見た人は、言葉を失うほどの感動を覚えると思います。私は実習に立ち合うたびに、このデモンストレーションを見ましたが、肺の状態による動きの違いに驚かされます。下記のリンクのビデオでは、かなり健康で美しい肺の動きを見ることができます。字幕はついていません。音声を消して動きにのみ集中してみてください。(当然ながらご献体の映像です。閲覧注意)ご覧になった後に、ためになったら、日本語で大丈夫ですので、コメント入れてあげてください。ヘドレー先生が喜びます。

Exquisite Lungs Breathing: Learn Integral Anatomy with Gil Hedley

真っ黒になった喫煙者の肺ときれいな肺を並べた映像を見たことがある方は多いと思います。非喫煙者でも大気汚染のある場所で人生を過ごした高齢者の肺には微細な黒いパターンが見られます。吸い込んだ微粒子が沈着したものです。胸膜が肋骨に癒着している肺は、肋骨前面を外す際に、胸膜がはがれるバリバリという音がします。本来は呼吸に合わせて滑るように動かなければならない肺の動きが阻害されています。慢性閉塞性肺疾患(COPD)の肺は一目でわかるような病変があり、この状態で呼吸することがいかに困難かを想像することができます。

専門の医師以外は直接見ることのない様々な状態を実際に観察することができるのも、解剖実習による学びの重要性です。

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